2016年08月15日

片山の六地蔵とぽっくり地蔵について <深江校区・二丈片山> 片山の六地蔵とぽっくり地蔵/2015年8月-9月

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    小堂二所

  觀音堂 江口 地藏堂 村内

            ー『福岡県史・近代資料編・福岡県地理全誌(六)』
             巻之一百四十七 怡土郡之七 片山村 佛寺







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二丈片山の東、羅漢川沿いを大崎海岸に向かって進むと、
川口橋手前の山際に幅の狭い石階段が伸びており、その先には観音堂と地蔵堂がある。
ともに由来は不明であるが、両堂の間には一つの石に六体の地蔵菩薩を刻んだ六地蔵がある。
一説には、平清盛が全国60余州に祀ったものの一つといわれている。

六地蔵とは、仏道において人が死後に輪廻転生するといわれる六つの道、
地獄道、畜生道、餓鬼道、修羅道、人道、天道のそれぞれにあって、
衆生の苦悩から救済してくれる地蔵菩薩のことである。
一般的には、墓地や路傍に六つの地蔵様を横並びに祀ったものが多いようである。

片山の六地蔵は、石の中央部の全身六体に加え、
さらにその上に半身の六体が重なるように配されていて、
六地蔵と呼ばれてはいるものの、実際には十二の地蔵様の顔が見える。

以前は山上に祀ってあったが、祟りがあって現在の場所に移されたらしい。
『二丈町誌・平成版』によると、かつての安置場所はたいへん見晴らしがよく、
往来の人は眼下に広がる海ばかりに気を取られて、
地蔵様の前を下馬も拝礼もせずに素通りすることが多かったという。
そのためこのころに起こった船の沈没事故を、
地蔵様への不敬が招いた祟りと人々がおそれた、ということである。


六地蔵のある場所からさらに東に20メートルほど先、
川口橋を越えてすぐの山際にも六つの地蔵が隣り合わせに並んでいる。
こちらはまったく由来不明だが、比較的新しい六地蔵様のように見える。
その真横にもそれよりもひと回り以上大きな地蔵様が一体立っており、
下部の石台には「ぽっくり地蔵」と刻まれている。
こちらも詳細はわからないが、「延命地蔵」として祀られていると考えられる。

全国各地に広く分布している民間伝承に、
ある高齢のお爺さんが特定のお地蔵様を大切に手入れし、
毎日手を合わせていたところ、ある日ぽっくりと逝ってしまったという昔話がある。
その後このお地蔵様は、精神的肉体的苦痛を伴わない、理想的な死に方(?)を願って、
はたまた長寿延命や極楽浄土を祈願して祀られたというが…。






参考:『二丈町誌・平成版』/二丈町誌編纂委員会(二丈町)
   『怡土志摩地理全誌・1怡土篇』/由比 章祐(糸島新聞社)






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片山の羅漢川沿いの集落の中にある観音堂と地蔵堂。


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二つのお堂の間にある六地蔵の表情はさまざまで、怒っているようにみえる顔もある。


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お堂の前に広がる初秋の羅漢川。


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横並びのスタンダードな六地蔵とぽっくり地蔵。こちらも顔がすべて違っている。






参考:『二丈町誌・平成版』/二丈町誌編纂委員会(二丈町)
   『怡土志摩地理全誌・1怡土篇』/由比 章祐(糸島新聞社)







posted by 由比 貴資 at 00:00| Comment(0) | 片山村
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